酔古堂剣掃 / 集法・福を惜しむを以て生を延ぶ
近以靜事而約己,遠以惜福而延生。
新字:近以静事而約己,遠以惜福而延生。
書き下し
近くは事を靜かにするを以て己を約し、遠くは福を惜しむを以て生を延ぶ。
現代語訳
身近なところでは、事を静かに少なくすることで自分を引き締め、長い目で見ては、福を惜しんで使い尽くさないことで命を延ばします。
解説
集法の最後に置かれた、節度ある生き方の要をまとめた一則です。静事は、事を荒立てず、用事を増やしすぎないことです。約己は、自分を引き締め、慎ましくすることです。惜福は、与えられた幸福を使い尽くさず大切に残しておくことで、明治の幸田露伴も『努力論』で惜福の工夫を説いています。目の前では事を控えめにして身を慎み、長い目では福を浪費しないことで、心身を長く保てると言います。集法の多くの句が語ってきた、尽くさない、偏らないという教えが、ここに簡潔に結ばれています。
この章句が説くこと
惜福節制養生修身中庸
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