酔古堂剣掃 / 集靈・太だ閒なれば反つて惡業を生ず
人生莫如閒,太閒反生惡業;人生莫如清,太清反類俗情。
新字:人生莫如閒,太閒反生悪業;人生莫如清,太清反類俗情。
書き下し
人生は閒に如くは莫し、太だ閒なれば反つて惡業を生ず。人生は清に如くは莫し、太だ清なれば反つて俗情に類す。
現代語訳
人生でゆとりにまさるものはありませんが、暇すぎるとかえって悪い行いを生みます。人生で清らかさにまさるものはありませんが、清らかすぎるとかえって俗な心に似てしまいます。
解説
良いものでも度を越すと反対に転じることを、閒と清の二つで言った対句です。閒はゆとりのある暇、清は世俗の欲にまみれない清らかさで、どちらも本書が大切にする価値です。しかし暇が過ぎると、つまらない遊びや悪事に心が向きます。清らかさも、それを誇って人を見下すようになれば、名声を求める俗な心と変わりません。小人閑居して不善をなすという大学の言葉にも通じます。休みが続くと生活が乱れたり、潔癖さが他人への厳しさになったりすることは、誰にも覚えがあるでしょう。ほどほどを知ることの大切さを教えています。
この章句が説くこと
閑適中庸節制清廉処世
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