酔古堂剣掃 / 集法・洪蒙率ね是れ客
天地俱不醒,落得昏沈醉夢;洪蒙率是客,枉尋寥廓主人。
新字:天地倶不醒,落得昏沈酔夢;洪蒙率是客,枉尋寥廓主人。
書き下し
天地俱に醒めず、昏沈の醉夢に落ち得たり。洪蒙率ね是れ客、枉げて寥廓の主人を尋ぬ。
現代語訳
天も地もみな目覚めておらず、ぼんやりと沈んだ酔いの夢に落ちてしまっています。果てしない天地の中では、万物はおおむね仮の客にすぎないのに、むなしく広大な宇宙の主を探し求めています。
解説
この世のすべてが夢と仮の宿りであると観じた、達観の一則です。昏沈は意識がぼんやりと沈んだ状態、洪蒙は天地が分かれる前の混沌、また果てしない天地のことです。寥廓は、からりと広々とした天空を言います。天地の間に生きるものはすべて旅の客であり、主人などいないのに、人はむなしくその主を探し求めていると言います。李白が、天地は万物の逆旅、光陰は百代の過客と述べた心にも通じます。自分もまた仮の客だと思えば、執着が薄れ、今この時を大切にする気持ちが生まれるのではないでしょうか。
この章句が説くこと
無常達観隠逸夢天地
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