酔古堂剣掃 / 集靈・古今盡く蜉蝣に屬す
興來醉倒落花前,天地即為衾枕;機息坐忘磐石上,古今盡屬蜉蝣。
新字:興来酔倒落花前,天地即為衾枕;機息坐忘磐石上,古今尽属蜉蝣。
書き下し
興來たりて落花の前に醉倒すれば、天地即ち衾枕と為る。機息みて磐石の上に坐忘すれば、古今盡く蜉蝣に屬す。
現代語訳
興が乗って散る花の前で酔いつぶれれば、天地がそのまま布団と枕になります。はかりごとの心がやんで大きな岩の上で我を忘れて座れば、古今のすべてはかげろうのようにはかないものとなります。
解説
酔いと坐忘という二つの境地で、天地と古今を小さくしてしまう対句です。前半は、散る花の下で酔い伏せば、天と地がそのまま寝具になるという豪放な気分を言います。晋の劉伶が天地を家とし部屋を下着とすると言った話にも通じる発想です。後半の機はたくらみや駆け引きの心、坐忘は荘子に出る言葉で、身も知恵も忘れて道と一体になることです。その境地から見れば、古今の歴史もかげろうの一生のように短いと言います。目の前の悩みが大きく見えるときは、視点をうんと引いて眺めると、少し肩の力が抜けるものです。
この章句が説くこと
達観閑適無常坐忘道家
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