酔古堂剣掃 / 集法・心を虛にせざれば事を知らず
不實心,不成事;不虛心,不知事。
新字:不実心,不成事;不虚心,不知事。
書き下し
心を實にせざれば、事を成さず。心を虛にせざれば、事を知らず。
現代語訳
心を誠実にしなければ、物事を成し遂げることはできません。心を空しくしなければ、物事を知ることはできません。
解説
実心と虚心という、一見反対の二つの心がどちらも必要だと説いた一則です。実心は、まごころがこもって中身の詰まった心で、これがなければ物事をやり遂げる力が出ません。虚心は、先入観や我執を捨てた空っぽの心で、これがなければ物事をありのままに理解できません。行うときは心を満たし、学ぶときは心を空ける。言葉の上では反対ですが、どちらも自分の都合を捨てて対象に向き合う姿勢だという点で通じています。仕事を進めるときの熱意と、人の話を聞くときの素直さ、その両方を持ちたいものです。
この章句が説くこと
誠実謙虚虚心修身学問
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