酔古堂剣掃 / 集法・一言にして天地の和を傷る
有一念而犯鬼神之忌,一言而傷天地之和,一事而釀子孫之禍者,最宜切戒。
新字:有一念而犯鬼神之忌,一言而傷天地之和,一事而醸子孫之禍者,最宜切戒。
書き下し
一念にして鬼神の忌みを犯し、一言にして天地の和を傷り、一事にして子孫の禍ひを釀す者有り、最も宜しく切に戒むべし。
現代語訳
たった一つの思いで鬼神の忌み嫌うことを犯し、たった一言で天地の調和を損ない、たった一つの事で子孫に災いを醸し出すことがあります。こうしたことは、最も強く戒めるべきです。
解説
小さな一念、一言、一事が、計り知れない災いを生むことを戒めた一則で、菜根譚にもほぼ同じ句があります。鬼神の忌みを犯すとは、人の見ていない心の中の悪念が、天地の神々の嫌うところとなることです。天地の和を傷るとは、一つの心ない言葉が、周りの調和を壊してしまうことです。子孫の禍ひを醸すとは、一つの不正や過ちが、後の世代にまで禍根を残すことです。どれも一という小さな単位で語られているところに、日々の慎みの大切さが込められています。何気ない一言や判断が、長く尾を引くことがあるのです。
この章句が説くこと
慎重修身言葉戒め子孫
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