酔古堂剣掃 / 集法・身を棄てんよりは酒を棄つるに如かず
酒入舌出,舌出言失,言失身棄。余以為棄身,不如棄酒。
書き下し
酒入れば舌出で、舌出づれば言失し、言失すれば身棄てらる。余以為へらく、身を棄てんよりは、酒を棄つるに如かず。
現代語訳
酒が入ると舌が出てきて、舌が出てくると言葉を誤り、言葉を誤ると身を滅ぼすことになります。私が思うに、身を捨てるくらいなら、酒を捨てたほうがましです。
解説
酒の失敗が身の破滅につながる筋道を、鎖のようにつないで示した一則です。酒入れば舌出づとは、酒が入ると口が軽くなることです。口が軽くなれば失言が出て、失言が重なれば地位も信用も失います。この連鎖は昔から言われてきたもので、著者はそれを受けて、身を棄てるよりは酒を棄てよと言い切ります。酒そのものを否定するのではなく、酒で身を失うくらいならやめたほうがよいという、はっきりした優先順位の示し方です。酒席での失言が大きな問題になる今日、一層身にしみる言葉ではないでしょうか。
この章句が説くこと
節制言葉酒慎重修身
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