酔古堂剣掃 / 集法・口を開きて人を譏誚す
開口譏誚人,是輕薄第一件,不惟喪德,亦足喪身。
新字:開口譏誚人,是軽薄第一件,不惟喪徳,亦足喪身。
書き下し
口を開きて人を譏誚するは、是れ輕薄の第一件なり。惟だに德を喪ふのみならず、亦た身を喪ふに足る。
現代語訳
口を開けば人をそしりあざけるのは、軽薄の最たるものです。それは徳を失うだけでなく、身を滅ぼすにも十分なものです。
解説
人をからかったり、けなしたりする癖の危うさを強く戒めた一則です。譏誚は、そしったり皮肉を言ってあざけったりすることです。気の利いた皮肉は、その場では笑いを取れるかもしれませんが、言われた相手は忘れません。それが積み重なれば、恨みを買い、いつか自分の身に返ってきます。徳を失うのは自分の心の問題ですが、身を失うのは実際の損害です。軽口で人をいじるのが得意な人ほど、この一則を心に留めておきたいものです。笑いを取るなら、人を下げるのではなく、場を明るくする言葉を選びましょう。
この章句が説くこと
言葉軽薄修身戒め慎重
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