酔古堂剣掃 / 集法・書一卷を觀れば一卷の益
惟書不問貴賤貧富老少,觀書一卷,則增一卷之益;觀書一日,則有一日之益。
新字:惟書不問貴賤貧富老少,観書一巻,則增一巻之益;観書一日,則有一日之益。
書き下し
惟だ書のみ貴賤貧富老少を問はず。書一卷を觀れば、則ち一卷の益を增し、書一日を觀れば、則ち一日の益有り。
現代語訳
ただ書物だけは、身分の貴賤も、貧富も、老若も問いません。本を一巻読めば一巻の益が増え、本を一日読めば一日の益があります。
解説
読書の公平さと確かさを讃えた一則です。世の中の多くのものは、身分や財力や年齢によって、得られるかどうかが左右されます。しかし書物だけは、誰が読んでも、読んだ分だけ確実に益を与えてくれます。一巻読めば一巻の、一日読めば一日の益という言い方に、努力が裏切られない安心感が込められています。年を取ってから学んでも遅すぎることはなく、貧しくても本は読めます。忙しい毎日でも、一日数ページでも本を開く。その積み重ねは、必ず自分の中に残っていくはずです。
この章句が説くこと
読書学問平等修身継続
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