酔古堂剣掃 / 集法・友に交はるの後は宜しく信ずべし
交友之先宜察,交友之後宜信。
書き下し
友に交はるの先は宜しく察すべく、友に交はるの後は宜しく信ずべし。
現代語訳
友と交わる前には、よく観察するべきです。友と交わったあとは、信じるべきです。
解説
友との付き合いを、始める前と始めた後に分けて、それぞれの心得を示した一則です。交わる前は、相手の人柄や行いをよく見極め、軽々しく友とすべきではありません。しかし一度友とした以上は、疑わずに信じるべきだと言います。見極めずに交われば悪い友を招き、交わってから疑えば良い友を失います。慎重さと信頼を、順序を間違えずに使い分けることが大切です。人を採用するときや、取引を始めるときにも同じことが言えるでしょう。選ぶまでは慎重に、選んだ後は任せて信じる姿勢が、よい関係を育てます。
この章句が説くこと
交友信頼慎重処世人物
関連する章句
-
論語・為政篇子張禄を干(もと)むを学ぶ。子曰く、多く聞いて疑わしきを闕(か)き、其の余を慎言すれば、則ち尤(とがめ)寡なし。多く見て殆(あやう)きを闕き、其の余を慎行すれば、則ち悔寡なし。言に尤寡なく、行に悔寡なければ、禄は其の中に在り。
-
『酔古堂剣掃』集法・交はる時極めて難し友を重んずる者は、交はる時極めて難く、看ること難きを得、故を以て轉た重し。友を輕んずる者は、交はる時極めて易く、看ること易きを得、故を以て轉た輕し。
-
『酔古堂剣掃』集醒・乍ち交はるには傾倒すべからず乍ち交はるには傾倒すべからず、傾倒すれば則ち交はり終へず。 久しく與にするには隱匿すべからず、隱匿すれば則ち心必ず嶮し。
-
『酔古堂剣掃』集醒・易く信ずる者は必ず易く疑ふ輕く與ふる者は必ず濫りに取り、易く信ずる者は必ず易く疑ふ。
-
『呻吟語』内篇・修身・再び一步を思へば更に好し事の心下に放ち得るに到るも、還た一たび慎むも何ぞ妨げん。言の來たりて口邊に向かふも、再び一步を思へば更に好し。
-
『囲炉夜話』第六十八則・好事の人は必ず曉事の人に非ず古今の為す有るの士は、皆な輕がろしく為さざるの士なり。鄉黨の事を好むの人は、必ず事に曉るの人に非ず。