酔古堂剣掃 / 集法・太和の元氣を以て主と為す
青天白日,和風慶雲,不特人多喜色,即鳥鵲且有好音。若暴風怒雨,疾雷幽電,鳥亦投林,人皆閉戶。故君子以太和元氣為主。
新字:青天白日,和風慶雲,不特人多喜色,即鳥鵲且有好音。若暴風怒雨,疾雷幽電,鳥亦投林,人皆閉戸。故君子以太和元気為主。
書き下し
青天白日、和風慶雲には、特に人に喜色多きのみならず、即ち鳥鵲すら且つ好音有り。若し暴風怒雨、疾雷幽電ならば、鳥も亦た林に投じ、人皆戶を閉づ。故に君子は太和の元氣を以て主と為す。
現代語訳
晴れた空に輝く太陽、やわらかな風にめでたい雲の日には、人に喜びの色が多いばかりでなく、烏や鵲でさえよい声で鳴きます。もし荒れ狂う風に激しい雨、とどろく雷に暗い稲妻の日であれば、鳥も林に逃げ込み、人はみな戸を閉ざします。だから君子は、この上なく和やかな根本の気を主とするのです。
解説
天気が生き物の心を左右するように、人の気分も周りを左右すると説いた一則です。晴れた穏やかな日には、人も鳥も喜びにあふれます。嵐の日には、鳥は隠れ、人は戸を閉ざします。同じように、人の心が穏やかなら周りも和み、荒れていれば人は離れていきます。太和の元気とは、天地の最も調和した根本の気、つまり和やかさのことです。菜根譚にも、嵐の日には鳥が憂え、晴れた日には草木が喜ぶという似た趣旨の句があります。人の上に立つ人の機嫌は、職場の天気そのものです。穏やかな心を保ちたいものです。
この章句が説くこと
和気修身感情君子自然
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