酔古堂剣掃 / 集法・惡は人の非を言ふより大なるは莫し
禍莫大於縱己之欲,惡莫大於言人之非。
新字:禍莫大於縦己之欲,悪莫大於言人之非。
書き下し
禍は己の欲を縱にするより大なるは莫く、惡は人の非を言ふより大なるは莫し。
現代語訳
災いの中で、自分の欲望をほしいままにすることより大きなものはありません。悪の中で、人の欠点をあげつらうことより大きなものはありません。
解説
最大の災いと最大の悪を、身近なところに見いだした一則です。人は災いを外からやってくるものと考えがちですが、著者は、自分の欲を抑えられないことこそが最大の災いだと言います。また悪と言えば大きな犯罪を思い浮かべますが、日々人の悪口を言うことこそ最大の悪だと言います。欲を縦にすれば自分が滅び、人の非を言えば人の心を傷つけ、恨みを買います。どちらも誰にでも起こりうる身近な過ちであるからこそ、深く戒めているのでしょう。噂話に加わりそうなときに、思い出したい一句です。
この章句が説くこと
節制言葉修身戒め欲望
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