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酔古堂剣掃 / 集法・利害得失の會

是非邪正之交,少遷就則失從違之正;利害得失之會,太分明則起趨避之嫌。

新字:是非邪正之交,少遷就則失従違之正;利害得失之会,太分明則起趨避之嫌。

書き下し

是非邪正の交はりは、少しく遷就すれば則ち從違の正を失ふ。利害得失の會は、太だ分明なれば則ち趨避の嫌ひを起こす。

現代語訳

是と非、邪と正がぶつかり合う場面では、少しでも妥協すれば、従うか背くかの正しさを失います。利と害、得と失が出会う場面では、あまりにはっきりさせすぎると、利に走り害を避けているという疑いを招きます。

解説

善悪の場面と損得の場面とで、態度を変えよと説いた一則で、菜根譚にもほぼ同じ句があります。遷就は、相手に合わせて自分の立場を曲げることです。善悪の問題では、少しの妥協も筋を失わせるので、はっきりと立場を取るべきだと言います。一方、損得の問題では、あまりに細かく線を引くと、自分の利益ばかり追う人だと思われます。趨避は利に趨り害を避けることです。原則には厳しく、利害には鷹揚に。この使い分けができる人は、信頼と人望の両方を得られるでしょう。

この章句が説くこと

処世節操利害判断中庸

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