酔古堂剣掃 / 集法・寧ろ味に饒かなれ
後生輩胸中,落意氣兩字,有以趣勝者,有以味勝者。然寧饒於味,而無饒於趣。
新字:後生輩胸中,落意気両字,有以趣勝者,有以味勝者。然寧饒於味,而無饒於趣。
書き下し
後生の輩の胸中、意氣の兩字を落とせば、趣を以て勝る者有り、味を以て勝る者有り。然れども寧ろ味に饒かなるも、趣に饒かなること無かれ。
現代語訳
若い人たちの胸の中から意気という二字が抜け落ちると、趣向の面白さで勝る者と、味わいの深さで勝る者とが出てきます。けれども、味わいに富むほうがまだよく、趣向に富むほうに傾いてはいけません。
解説
若者の生き方について、面白さより深みを取れと説いた一則です。意気は若さゆえの気負いや勢いのことで、それが落ち着いたあとに、人は二つの方向に分かれると言います。趣は機知や面白さ、目先の気の利いた魅力です。味は、噛みしめるほど出てくる深い味わいです。趣に富む人は一見魅力的ですが、飽きられやすく軽くなりがちです。味に富む人は地味でも、長く付き合うほど良さが分かります。ほかの人に受ける面白さより、年月とともに深まる味わいを目指す。そんな生き方をすすめているのでしょう。
この章句が説くこと
修身深み若者品格処世
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