酔古堂剣掃 / 集法・布衣を以て世に關す
與其以衣冠誤國,不若以布衣關世;與其以林下而矜冠裳,不若以廊廟而標泉石。
新字:与其以衣冠誤国,不若以布衣関世;与其以林下而矜冠裳,不若以廊廟而標泉石。
書き下し
其の衣冠を以て國を誤らんよりは、布衣を以て世に關するに若かず。其の林下を以てして冠裳を矜らんよりは、廊廟を以てして泉石を標するに若かず。
現代語訳
官服を着て国を誤らせるよりは、無位無官のままで世の中に関わるほうがましです。林の下に隠れ住みながら官位を誇るよりは、朝廷にありながら山水の清らかな心を掲げるほうがましです。
解説
地位と心のあり方の食い違いを戒めた一則です。衣冠は官吏の服装で官位を、布衣は庶民の服で無位無官を表します。官位にあって国を誤るくらいなら、官位がなくても世のために働くほうがよいと言います。後半の林下は隠者の住まい、冠裳は官服、廊廟は朝廷、泉石は山水の風雅な暮らしです。隠者の身で官位を自慢するのは偽物であり、官にありながら隠者の清らかな心を保つほうが尊いと言います。大切なのは肩書きや居場所ではなく、そこでどんな心で何をするかということです。
この章句が説くこと
治政清廉隠逸処世本心
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