酔古堂剣掃 / 集豪・劍秋風を擊つ
劍擊秋風,四壁如聞鬼嘯;琴彈夜月,空山引動猿號。
新字:剣撃秋風,四壁如聞鬼嘯;琴弾夜月,空山引動猿号。
書き下し
劍秋風を擊てば、四壁鬼の嘯くを聞くが如し。琴夜月に彈ずれば、空山猿の號ぶを引き動かす。
現代語訳
剣で秋風を打てば、四方の壁から鬼がうそぶく声が聞こえるかのようです。月夜に琴を弾けば、人けのない山に猿の叫び声を呼び起こします。
解説
剣と琴という武と文の二つの営みを、凄みのある情景で描いた対句です。秋風の中で剣を振るうと、その響きが四方の壁に返り、まるで鬼がうそぶくようだと言います。月夜に琴を弾けば、その音色が山にこだまして猿を鳴き叫ばせると言います。猿の声は、古くから中国の詩で哀切な響きの代表とされてきました。剣にも琴にも、周りの世界を動かすほどの気迫がこもっていることを描いています。本気で打ち込む人の技には、見る者、聞く者の心を震わせる力が宿るものです。
この章句が説くこと
文武気迫豪気風雅音
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