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酔古堂剣掃 / 集韻・琴一曲を操りて之を咻す

夏日蟬聲太煩,則弄蕭隨其韻轉,秋冬夜聲寥颯,則操琴一曲咻之。

新字:夏日蝉声太煩,則弄蕭随其韻転,秋冬夜声寥颯,則操琴一曲咻之。

書き下し

夏日蟬聲太だ煩はしければ、則ち蕭を弄して其の韻に隨ひて轉じ、秋冬の夜聲寥颯たれば、則ち琴一曲を操りて之を咻す。

現代語訳

夏の日に蝉の声があまりにうるさいときは、簫を吹いてその調子に合わせて旋律を転じ、秋や冬の夜の音がひっそりと寂しいときは、琴を一曲弾いてにぎやかにします。

解説

自然の音と張り合わず、合わせて楽しむ知恵を述べた対句です。原文の蕭は、縦笛の簫の誤りと見て訳しました。蝉の声がうるさいからといって嫌がるのではなく、笛を吹いてその声に調子を合わせ、合奏にしてしまうのです。反対に、秋冬の夜の物音が寥颯、つまりひっそりと寂しいときには、琴を弾いて咻す、すなわち音でにぎわいを添えます。うるさすぎれば合わせ、寂しすぎれば補う、という臨機応変な楽しみ方です。周りの環境に不満を言うより、それを自分の楽しみに取り込んでしまうほうが心は穏やかです。騒がしい職場や静かすぎる夜にも、自分なりの合わせ方を見つけたいものです。
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この章句が説くこと

音楽風雅臨機自然閑適

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