酔古堂剣掃 / 集景・松風夜秋を帶ぶ
潭水寒生月,松風夜帶秋。
新字:潭水寒生月,松風夜帯秋。
書き下し
潭水寒くして月を生じ、松風夜秋を帶ぶ。
現代語訳
淵の水は冷たく澄んで、そこに月が生まれ出るように映っています。松を渡る風は、夜になって秋の気配を帯びています。
解説
夜の淵と松風に、秋の訪れを感じ取った五言の対句です。潭は深い淵のことで、冷たい水面に月が映る様子を、月を生ずると表現しています。水が月を生み出すという言い方で、水面の月が本物の月と同じように輝いている様子が伝わります。後の句の松風は、松の枝を吹き抜ける風の音で、古くから清らかな音の代表とされてきました。昼間はまだ夏の名残があっても、夜の風にはもう秋が混じっているという、季節の変わり目の繊細な感覚です。夏の終わりの夜、窓を開けて風の匂いや音の変化に気づいたとき、この句の感覚を思い出してみてください。
この章句が説くこと
自然風雅秋月松
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