酔古堂剣掃 / 集豪・詩狂は古今を空しうす
詩狂空古今,酒狂空天地。
書き下し
詩狂は古今を空しうし、酒狂は天地を空しうす。
現代語訳
詩に狂う者は古今を眼中に置かず、酒に狂う者は天地さえ眼中に置きません。
解説
詩と酒に没頭する者の、とらわれない心を十字で言い切った一則です。空しうすは、あるものを無いものとする、眼中に置かないという意味です。詩に夢中な者は、古今の名作や名声に気おくれせず、自分の詩に打ち込みます。酒に酔う者は、天地の広ささえ気にせず、心が大きく解き放たれます。どちらも、何かに没頭したときに訪れる、自我の枠を越える境地を言っているのでしょう。何かに夢中になることは、ときに周りの常識や権威の重さを軽くしてくれます。一つのことに狂えるものを持つのは、幸せなことです。
この章句が説くこと
没頭詩酒豪放自由
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