酔古堂剣掃 / 集豪・馬を下りては賦を作る
上馬橫槊,下馬作賦,自是英雄本色;熟讀《離騷》,痛飲濁酒,果然名士風流。
新字:上馬横槊,下馬作賦,自是英雄本色;熟読《離騷》,痛飲濁酒,果然名士風流。
書き下し
馬に上りては槊を橫たへ、馬を下りては賦を作る、自ら是れ英雄の本色なり。《離騷》を熟讀し、濁酒を痛飲す、果然として名士の風流なり。
現代語訳
馬に乗れば矛を横たえて戦い、馬を下りれば詩文を作る、これこそ英雄の本来の姿です。『離騒』を読み込み、濁り酒を思うさま飲む、これこそまさに名士の風流です。
解説
英雄と名士の理想の姿を、対句で描き分けた一則です。前半は、三国時代の曹操が矛を横たえて詩を賦したと語り継がれるように、武勇と文才を兼ね備えた姿を英雄の本色とします。後半は、東晋の王恭が、酒を飲み『離騒』を熟読すれば名士と称せると語った言葉を踏まえています。本色は本来の持ち味、風流は俗を超えた品格のある生き方です。戦う力と、それを言葉にする教養の両方を持つことが理想とされています。仕事の腕と、それを語り伝える言葉を、ともに磨きたいものです。
この章句が説くこと
文武英雄教養風流豪気
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