酔古堂剣掃 / 集豪・世に必ず少くべからざるの人
能為世必不可少之人,能為人必不可及之事,則庶幾此生不虛。
新字:能為世必不可少之人,能為人必不可及之事,則庶幾此生不虚。
書き下し
能く世に必ず少くべからざるの人と為り、能く人の必ず及ぶべからざるの事を為さば、則ち此の生虛しからざるに庶幾し。
現代語訳
世の中に決して欠かせない人となり、他の人には決して及ばないことを成し遂げられたなら、この一生は無駄ではなかったと言えるでしょう。
解説
一生を空しくしないための二つの目標を示した一則です。一つは、世の中にとってなくてはならない存在になること、もう一つは、他人には真似できない仕事をすることです。前者は役に立つこと、後者は独自であることと言い換えられます。庶幾は、ほぼそれに近いという控えめな言い方で、完全に達成できなくても、そこに近づけば十分だという含みがあります。大きな肩書きでなくとも、職場や家庭でこの人がいないと困ると言われる存在になることは、誰にでも目指せる生きがいではないでしょうか。
この章句が説くこと
立志使命処世独自性生きがい
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