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酔古堂剣掃 / 集豪・其の千古の心有るを取る

立言者,未必即成千古之業,吾取其有千古之心;好客者,未必即盡四海之交,吾取其有四海之願。

新字:立言者,未必即成千古之業,吾取其有千古之心;好客者,未必即尽四海之交,吾取其有四海之願。

書き下し

言を立つる者は、未だ必ずしも即ち千古の業を成さざるも、吾は其の千古の心有るを取る。客を好む者は、未だ必ずしも即ち四海の交はりを盡くさざるも、吾は其の四海の願ひ有るを取る。

現代語訳

言葉を書き残そうとする人が、必ずしもすぐに千年に残る仕事を成し遂げるわけではありません。それでも私は、その人が千年先を思う心を持っていることを評価します。客をもてなすのが好きな人が、必ずしも天下の人々と交わり尽くせるわけではありません。それでも私は、その人が天下の人と交わりたいという願いを持っていることを評価します。

解説

結果よりも志の大きさを重んじるという見方を、対句で示した一則です。立言は、書物や言葉を残して後世に伝えることで、古くは徳を立て、功を立てることと並べて三つの不朽と呼ばれました。千古は千年、四海は天下のことです。著者は、成し遂げたかどうかより、そこへ向かう心があるかどうかを取ると言います。成果ばかりが問われる今の職場では、見過ごされがちな視点です。まだ形にならない若い人の大きな志を、笑わずに認めることも、上に立つ人の大切な役目ではないでしょうか。

この章句が説くこと

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