酔古堂剣掃 / 集豪・夜深くして花は睡る
雲破月窺花好處,夜深花睡月明中。
新字:雲破月窺花好処,夜深花睡月明中。
書き下し
雲破れて月は窺ふ花の好き處、夜深くして花は睡る月明の中。
現代語訳
雲が切れて、月が花のいちばん美しいところをのぞき込みます。夜が更けて、花は月の明かりの中で眠っています。
解説
月と花を人に見立て、夜の移ろいを二句で描いた一則です。前の句では、雲の切れ間から月が顔を出し、花の美しいところをそっとのぞき見ます。後の句では、夜が深まり、花が月明かりに包まれて眠ります。月は見る者、花は見られる者として、まるで恋人どうしのように描かれています。わずか十四字に、時間の流れと静けさが込められているのが見事です。慌ただしい毎日の中でも、夜更けの静けさにしばし身を置くと、昼間は気づかない美しさに出会えるかもしれません。
この章句が説くこと
風雅自然閑適詩夜
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