酔古堂剣掃 / 集豪・終に老驥を忘れず
飛禽鎩翮,猶愛惜乎羽毛;志士捐生,終不忘乎老驥。
書き下し
飛禽は翮を鎩がるるも、猶ほ羽毛を愛惜す。志士は生を捐つるも、終に老驥を忘れず。
現代語訳
空を飛ぶ鳥は、翼をもがれても、なお羽毛を大切に惜しみます。志のある人は、命を投げ出すことになっても、最後まで老いた名馬の志を忘れません。
解説
どんな境遇に落ちても志を失わないことを、鳥と馬にたとえた一則です。鎩翮は翼の羽をもがれて飛べなくなることです。飛べなくなった鳥でも羽を惜しむように、人も誇りを捨てません。老驥は、曹操の詩に、老いた名馬は厩に伏していても志は千里にあるとうたわれたことに基づき、年老いてもなお大志を抱く人のたとえです。挫折したり年を重ねたりすると、志を語ることが気恥ずかしくなりがちです。しかし、飛べない時期にこそ羽を手入れしておく人が、次の機会に飛び立てるのではないでしょうか。
この章句が説くこと
立志気概忍老い誇り
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