酔古堂剣掃 / 集奇・鵬は羽の傑たり
鵬為羽傑,鯤稱介豪,翼遮半天,背負重霄。
新字:鵬為羽傑,鯤称介豪,翼遮半天,背負重霄。
書き下し
鵬は羽の傑たり、鯤は介の豪と稱す。 翼は半天を遮り、背は重霄を負ふ。
現代語訳
鵬は鳥の中の傑物であり、鯤は鱗ある生き物の中の豪傑と呼ばれます。その翼は天の半分を覆い隠し、その背は幾重にも重なる大空を背負います。
解説
『荘子』逍遥遊篇に出てくる巨大な魚の鯤と、それが化した鳥の鵬を讃えた一則です。羽は鳥類、介は鱗や甲羅を持つ生き物を指し、それぞれの仲間の中で飛び抜けて大きな存在だと言います。逍遥遊篇では、鯤は北の海に住む何千里もの大魚で、鵬に化すと翼は空を覆う雲のようで、九万里の高みに上って南の海へ渡ると語られます。この句はその大きさを短い言葉で描き、豪快な想像力を楽しむものです。荘子は、小さな鳥が鵬の旅を笑う話を続けて、小さな知恵では大きな志は測れないと説きました。目先の評価に縛られそうなとき、自分の志の大きさを思い出させてくれる句です。
この章句が説くこと
立志荘子豪放鵬気宇
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