酔古堂剣掃 / 集豪・江上の半青山を平分す
詩酒興將殘,剩卻樓頭幾明月;登臨情不己,平分江上半青山。
新字:詩酒興将残,剰却楼頭幾明月;登臨情不己,平分江上半青山。
書き下し
詩酒の興將に殘せんとし、樓頭の幾明月を剩し卻す。 登臨の情已まず、江上の半青山を平分す。
現代語訳
詩と酒の興がそろそろ尽きかけても、楼閣の上にはまだいくつもの明月が残されています。高いところに登って眺める気持ちはやむことがなく、川の上の青い山を半分ずつ分け合います。
解説
詩と酒の宴の余韻と、高みから眺める景色の楽しみを描いた一則です。前の句は、詩を作り酒を飲む興が尽きかけても、楼閣の上にはまだ月が残っていて、楽しみは終わらないという余裕を描いています。いくつもの明月という言い方は、夜ごとに昇る月を思わせ、これからも楽しみは続くことを感じさせます。後の句は、高いところに登って眺める気持ちが収まらず、川の上に連なる青い山を友と半分ずつ分け合う、という豪快な言い方です。原文の「己」は「已」の意味で読みました。景色を所有するのではなく、仲間と分かち合って楽しむ姿に、豪者の度量の大きさがあります。楽しみを分け合える友がいることの豊かさを思わせる句です。
この章句が説くこと
詩酒登高交友豪放明月
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