酔古堂剣掃 / 集豪・海上に龍の騰るを看る
聞秋空鶴唳,令人逸骨仙仙;看海上龍騰,覺我壯心勃勃。
新字:聞秋空鶴唳,令人逸骨仙仙;看海上竜騰,覚我壮心勃勃。
書き下し
秋空に鶴の唳くを聞けば、人をして逸骨仙仙たらしむ。海上に龍の騰るを看れば、我が壯心の勃勃たるを覺ゆ。
現代語訳
秋の空に鶴の鳴く声を聞くと、人は俗を離れた骨柄がふわりと仙人のようになります。海の上に龍が昇るのを見ると、私の雄々しい心がむくむくと湧き上がるのを感じます。
解説
自然の二つの姿が、人の心に二つの違った力を呼び起こすことを対句にした一則です。鶴の声は清らかで高く、人を俗世から離れた仙境へと誘います。逸骨は俗を超えた骨柄、仙仙は軽やかに舞うさまです。一方、海上に昇る龍は力強く、胸の中の壮志をかき立てます。静かな清らかさと、激しい力強さの両方が、人の心を養うのです。疲れたときには静かなものに触れ、奮い立ちたいときには雄大なものを見る。そうして心の調子を自分で整えるのも、生きる知恵と言えるでしょう。
この章句が説くこと
自然豪気壮志風雅気概
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