酔古堂剣掃 / 集豪・孔方兄に絕交の書有り
管城子無食肉相,世人皮相何為;孔方兄有絕交書,今日盟交安在。
新字:管城子無食肉相,世人皮相何為;孔方兄有絶交書,今日盟交安在。
書き下し
管城子に食肉の相無し、世人の皮相何をか為さん。孔方兄に絕交の書有り、今日の盟交安くにか在る。
現代語訳
筆(管城子)には、出世して肉を食べるような人相はありません。世の人がうわべで人を見て何になるでしょうか。銭(孔方兄)からは絶交状が届いています。今日、固い誓いを結んだ友はどこにいるのでしょうか。
解説
貧しい文人の境遇を、筆と銭を人に見立てて皮肉った一則です。管城子は、韓愈の『毛穎伝』で筆が管城に封ぜられたことから筆の異名になりました。食肉の相は、漢の班超が万里の彼方で侯に封ぜられる相だと言われた故事に基づき、出世の相を指します。孔方兄は、四角い穴のあいた銭をからかった呼び名です。筆一本で生きる者は出世とも金とも縁がなく、金が去れば友も去るという世の薄情さを、笑いに包んで嘆いています。お金や地位が離れたときにも残る友こそ、本当の友と言えるでしょう。
この章句が説くこと
清貧交友世態文人皮肉
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