酔古堂剣掃 / 集奇・管寧の席を割く
貧富之交,可以情諒,鮑子所以讓金;貴賤之間,易以勢移,管寧所以割席。
新字:貧富之交,可以情諒,鮑子所以譲金;貴賤之間,易以勢移,管寧所以割席。
書き下し
貧富の交は、情を以て諒すべし、鮑子の金を讓りし所以なり。 貴賤の間は、勢を以て移り易し、管寧の席を割きし所以なり。
現代語訳
貧しい者と富んだ者との交わりは、情によって思いやることができます。これが鮑子(春秋斉の鮑叔牙)が金を譲った理由です。身分の高い者と低い者との間は、権勢によって心が移りやすいものです。これが管寧(三国魏の隠士)が席を切り分けた理由です。
解説
友情を試す二つの場面を、二つの故事で対にした一則です。前の句は管鮑の交わりで、鮑叔牙は管仲と商いをしたとき、管仲が利益を多く取っても、貧しいからだと察して責めませんでした。貧富の差は情で埋められるということです。後の句は管寧割席の故事で、管寧は友の華歆が畑で金を拾って心を動かし、立派な車が通れば書を置いて見に行くのを見て、並んで座っていたむしろを切って絶交したと伝えられます。身分や権勢に心が引かれる相手とは、いずれ道が分かれるということです。お金の差は許せても、権力への色気は許しがたい。友との付き合い方を考えるときの一つの物差しになります。
この章句が説くこと
交友友情管鮑名利節操
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