酔古堂剣掃 / 集豪・物外の文章に遊ぶ
登高遠眺,吊古尋幽,廣胸中之邱壑,遊物外之文章。
新字:登高遠眺,吊古尋幽,広胸中之邱壑,遊物外之文章。
書き下し
高きに登りて遠く眺め、古を吊ひ幽を尋ね、 胸中の邱壑を廣め、物外の文章に遊ぶ。
現代語訳
高いところに登って遠くを眺め、古人の跡を弔い、奥深い景色を訪ね、胸の中の山や谷を広げ、俗世の外にある文章の世界に遊びます。
解説
旅や散策によって心を広げる楽しみを、四つの句で述べた一則です。登高遠眺は、高い所に登って遠くを見晴らすこと、吊古は、古い史跡を訪ねて昔の人をしのぶこと、尋幽は、人の知らない静かで奥深い景色を探すことです。そうすることで、胸中の丘壑、すなわち心の中の山水が広がると言います。物外の文章は、俗世を離れたところにある詩文の世界、あるいは天地自然そのものが織りなす美しい模様とも読めます。広い景色を見て、古い歴史に触れ、静かな場所を歩くことが、心を大きく育て、豊かな表現を生むというのです。日々の机の上だけでは得られない心の広がりを、外に出て求める大切さを教えてくれます。
この章句が説くこと
登高旅懐古胸襟自然
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