酔古堂剣掃 / 集靈・世外の交情は惟だ山のみ
世外交情,惟山而已。須有大觀眼,濟勝具,久住緣,方許與之莫逆。
新字:世外交情,惟山而已。須有大観眼,済勝具,久住縁,方許与之莫逆。
書き下し
世外の交情は、惟だ山のみ。須らく大觀の眼、濟勝の具、久住の緣有りて、方に之と莫逆なるを許すべし。
現代語訳
俗世の外での交わりは、ただ山とのものだけです。大きな景色を見渡す眼と、名勝をめぐる丈夫な足腰と、長く住む縁とがあってはじめて、山と心を許し合う友になることができます。
解説
山を友とするための条件を三つ挙げた一則です。大觀眼は広い景色を受けとめる眼です。濟勝具は名勝を歩き回れる健脚のことで、晋の許詢が山水を好み、登り歩くのにふさわしい体を持っていたので、済勝の具があると言われた話に由来します。久住緣は長く山に住むめぐり合わせです。莫逆は荘子に出る言葉で、心が逆らわない親しい友を言います。一度訪ねただけでは山の友にはなれず、眼と体と縁がそろってはじめて、山は心を開くというのです。趣味や土地との付き合いも、見る目と体力と時間をかけることで深まります。
この章句が説くこと
自然隠逸交友山水閑適
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