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酔古堂剣掃 / 集豪・砥柱中流に在り

榮枯得喪,天意安排,浮雲過太虛也;用舍行藏,吾心鎮定,砥柱在中流乎?

新字:栄枯得喪,天意安排,浮雲過太虚也;用舎行蔵,吾心鎮定,砥柱在中流乎?

書き下し

榮枯得喪は、天意の安排、浮雲の太虛を過ぐるなり。 用舍行藏は、吾が心鎮定す、砥柱の中流に在るか。

現代語訳

栄えることと衰えること、得ることと失うことは、天の意思が按配するもので、浮き雲が大空を通り過ぎていくようなものです。用いられれば出て働き、捨てられれば身を隠すことについては、私の心は落ち着いて定まっています。黄河の激流の中にそびえる砥柱山のようではありませんか。

解説

人生の浮き沈みを天に任せ、自分の心だけはしっかりと保つ姿勢を示した一則です。前の句は、栄枯盛衰や得失は天が決めることで、大空を流れる雲のように、過ぎ去っていくものだと言います。太虚は大空のことです。後の句の用舎行蔵は、『論語』述而篇の、用いられれば道を行い、捨てられれば身を隠す、という孔子の言葉に基づきます。出処進退について、自分の心は落ち着いて揺るがないと言います。砥柱は、黄河の激流の中にそびえ立つ山で、濁流に洗われても動じないことから、困難の中で節操を守る人のたとえとされます。外の境遇は変えられなくても、内の心は自分で定めることができるのです。

この章句が説くこと

達観出処節操論語天命

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