酔古堂剣掃 / 集豪・君王は愁ひに稅せず
獻策金門苦未收,歸心日夜水東流。扁舟載得愁千斛,聞說君王不稅愁。
新字:献策金門苦未収,帰心日夜水東流。扁舟載得愁千斛,聞説君王不税愁。
書き下し
策を金門に獻じて苦だ未だ收められず、 歸心日夜水東に流る。 扁舟載せ得たり愁ひ千斛、 聞說く君王は愁ひに稅せずと。
現代語訳
朝廷に献策したものの、ついに取り上げられることはなく、故郷へ帰りたい思いは、日夜東へ流れる川の水のようです。小舟には千石もの愁いを積み込みましたが、聞くところによれば、君王は愁いには税をかけないそうです。
解説
献策が用いられず、失意のうちに故郷へ帰る人物の心境を詠んだ七言絶句です。金門は漢の宮殿の金馬門のことで、朝廷を指します。天下のためを思って策を献じたのに取り上げられず、帰りたい心が東へ流れる川の水のように止まらないと言います。後半が秀逸で、小舟に千斛、すなわち千石もの愁いを積んで帰るが、君王は愁いには税をかけないそうだ、と結びます。関所で荷に税をかけられる舟旅を踏まえて、自分の舟には税をかけられるような財宝は何もなく、ただ愁いだけが山のように積まれていると、皮肉とユーモアを込めて嘆いたものです。失意を笑いに変える強さに、豪者の気骨が表れています。
この章句が説くこと
不遇帰郷諧謔詩愁い
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