酔古堂剣掃 / 集豪・昆侖一峰の秀
清襟凝遠,卷秋江萬頃之波;妙筆縱橫,挽昆侖一峰之秀。
新字:清襟凝遠,巻秋江万頃之波;妙筆縦横,挽昆侖一峰之秀。
書き下し
清襟凝遠にして、秋江萬頃の波を卷き、 妙筆縱橫にして、昆侖一峰の秀を挽く。
現代語訳
清らかな胸の内が遠くまで澄みわたって、秋の大河の果てしない波を巻き込み、すばらしい筆が縦横に走って、崑崙山の一峰の秀麗さを引き寄せます。
解説
すぐれた人の胸襟の広さと、筆の力の大きさを讃えた一則です。清襟は清らかな胸の内、凝遠は心が落ち着いて遠くまで澄みわたっていることです。その心の広さは、秋の大河の見渡す限りの波を巻き込むほどだと言います。万頃は、きわめて広い面積のことです。後の句は、自在に走る筆が、西方の果てにそびえる伝説の霊山、崑崙の峰の秀麗さを引き寄せて紙の上に描き出すと言います。心の広さと筆の力とが対になっていて、優れた文人や画家は、澄んだ心を持ち、その心で天地の雄大さを作品に収めることができるというのです。大きな仕事は、まず心を広く澄ませることから始まるのでしょう。
この章句が説くこと
胸襟書画才気雄大豪放
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