酔古堂剣掃 / 集豪・李賀嘔字の囊
閑行消白日,懸李賀嘔字之囊;搔首問青天,攜謝朓驚人之句。
新字:閑行消白日,懸李賀嘔字之嚢;搔首問青天,攜謝朓驚人之句。
書き下し
閑行して白日を消し、李賀嘔字の囊を懸け、 首を搔きて青天に問ひ、謝朓驚人の句を攜ふ。
現代語訳
ぶらぶら歩いて昼の日を過ごし、李賀(唐の詩人)が心を吐くようにして詩句を入れた袋を下げます。頭をかいて青い空に問いかけ、謝朓(南朝斉の詩人)の人を驚かせる詩句を携えています。
解説
詩作に没頭する詩人の姿を、二人の詩人の故事で描いた一則です。李賀は唐の天才詩人で、毎日ろばに乗って出かけ、思いついた詩句を書きつけては背負った袋に入れ、夜に帰ってそれを詩に仕上げたと伝えられます。その母は、この子は心を吐き出してしまうまでやめないだろうと嘆いたといいます。嘔字の囊とは、その詩句を入れた袋のことです。後の句の謝朓は、山水の詩で知られた南朝の詩人で、李白がその詩を深く愛したことはよく知られています。頭をかいて天に問うのは、詩句を練り上げる苦心の姿です。先人の詩を携え、自らも心を吐くように詩を作る、表現に打ち込む人の情熱が伝わってきます。
この章句が説くこと
詩作李賀情熱創作文学
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