酔古堂剣掃 / 集豪・黃金既に散ず
綠酒但傾,何妨易醉;黃金既散,何論復來。
新字:緑酒但傾,何妨易酔;黄金既散,何論復来。
書き下し
綠酒但だ傾けよ、何ぞ醉ひ易きを妨げん。 黃金既に散ず、何ぞ復た來るを論ぜん。
現代語訳
美酒をただ傾ければよいのです。酔いやすくても何の差し支えがありましょうか。黄金はもう散じてしまったのです。それがまた戻ってくるかどうかなど、どうして論じる必要がありましょうか。
解説
酒と金をめぐる、豪放でさっぱりした心意気を示した一則です。緑酒は、緑がかった色の上等な酒のことです。酔いやすいからといって遠慮せず、ただ杯を傾ければよいと言います。後の句は、李白の「将進酒」の、千金を散じ尽くしてもまた戻ってくる、という句を踏まえながら、さらに一歩進めて、戻ってくるかどうかなど論じるまでもないと言い切ります。李白は才能への自信から金が戻ると言いましたが、ここでは戻る戻らないへの執着さえ手放しています。使ったお金を惜しんでくよくよするより、使ったことで得たものを楽しむ。お金への執着から自由になる潔さは、豪放の一つの形と言えるでしょう。
この章句が説くこと
豪放酒金銭執着達観
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