酔古堂剣掃 / 集豪・春衫少年の俠氣
桃花馬上,春衫少年俠氣;貝葉齋中,夜衲老去禪心。
新字:桃花馬上,春衫少年侠気;貝葉斎中,夜衲老去禅心。
書き下し
桃花の馬上、春衫少年の俠氣。 貝葉の齋中、夜衲老い去るの禪心。
現代語訳
桃の花の下を馬で行く、春の衣をまとった若者の侠気。お経を置いた書斎の中で、夜に僧衣をまとう年老いた人の禅の心。
解説
若者の侠気と老人の禅心を、鮮やかな二つの場面で対比した一則です。前の句は、桃の花が咲く春の道を、軽やかな春の衣を着て馬で駆ける若者の姿で、義に厚く意気盛んな侠気を表しています。後の句の貝葉は経典のことで、経を置いた書斎で、夜に僧衣をまとって静かに坐る老人の姿です。老い去るは、年老いていくことを言います。華やかな色と動きのある若者の場面と、静かで色のない老人の場面とが、きれいな対照をなしています。集綺の最後の則とよく似た内容を、集豪の最初に置いたのは、若き日の侠気こそが豪の出発点であることを示すためでしょう。人生の季節ごとに、それぞれにふさわしい輝きがあることを思わせます。
この章句が説くこと
侠気禅心老少豪放人生
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