酔古堂剣掃 / 集綺・老時に少年の俠氣に任ず
蒲團布衲,難於少時存老去之禪心;玉劍角弓,貴於老時任少年之俠氣。
新字:蒲団布衲,難於少時存老去之禅心;玉剣角弓,貴於老時任少年之侠気。
書き下し
蒲團布衲、少き時に老い去るの禪心を存するを難しとし、 玉劍角弓、老いたる時に少年の俠氣に任ずるを貴ぶ。
現代語訳
座布団と粗末な僧衣の暮らしでは、若いときに老成した禅の心を保つことが難しいのです。玉の剣と角の弓を持つ者としては、年老いたときに若者のような侠気を奮うことが貴いのです。
解説
若さと老いについて、それぞれに持つべき心を対比した一則です。前の句の蒲団と布衲は、坐禅の座布団と粗末な僧衣で、禅の修行を表します。若いうちに、老いてから得られるような枯れた悟りの心を持つことは難しいと言います。後の句の玉剣と角弓は、飾りのある剣と動物の角で強化した弓で、武の世界を表します。年老いてからも若者のような義侠心を持って行動することは貴いと言います。若いときは落ち着き、老いてからは若々しさを保つという、年齢と逆の心を持つことの難しさと尊さを説いているのです。集綺の最後の則で、次の集豪の冒頭にもこれとよく似た句が置かれています。
この章句が説くこと
老少禅心侠気修身年齢
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