酔古堂剣掃 / 集綺・青山に映じて色亂る
浮滄海兮氣渾,映青山兮色亂。
新字:浮滄海兮気渾,映青山兮色乱。
書き下し
滄海に浮かびて氣渾たり、 青山に映じて色亂る。
現代語訳
青い大海原に浮かぶと、気は渾然と一つにとけ合い、青い山に映ると、色は入り乱れます。
解説
何かが海に浮かび、山に映る姿を描いた、主語を省いた一則です。雲や霞、あるいは月の光や朝日を描いたものと考えられます。前の句は、広い海の上に浮かぶと、その気が海と一つにとけ合って境目がなくなる様子です。渾は、入りまじって一つになっていることを言います。後の句は、青い山に映ると、その色が山の緑と入り乱れて、さまざまな色合いを見せる様子です。海では一つになり、山では乱れるという、同じものが場所によって異なる表情を見せることが対になっています。兮という字を挟んだ楚辞風の調子で、ゆったりとした広がりが感じられます。雄大な景色を前に、形の定まらない美しさを味わう句です。
この章句が説くこと
風景海山自然雄大
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