酔古堂剣掃 / 集綺・雁臣甫めて聚まる
燕子剛來,春光惹恨;雁臣甫聚,秋思慘人。
新字:燕子剛来,春光惹恨;雁臣甫聚,秋思惨人。
書き下し
燕子剛かに來りて、春光恨みを惹き、 雁臣甫めて聚まりて、秋思人を慘ましむ。
現代語訳
燕がやって来たばかりのころ、春の光は恨めしい思いを引き起こします。雁の群れが集まり始めたころ、秋の物思いは人の心を痛ませます。
解説
春と秋の訪れを告げる渡り鳥によって、季節ごとの物思いを描いた一則です。燕は春に南から来る鳥、雁は秋に北から来る鳥です。春の光は明るいはずですが、燕の訪れとともに、かえって誰かを待つ恨めしさや、過ぎゆく時への焦りが引き起こされると言います。雁臣は、北魏の時代に、秋に都へ来て春に故郷へ帰った北方の部族の首長たちを、雁になぞらえて呼んだ言葉で、ここでは雁そのものを擬人的に言ったものと読めます。雁の群れが集まり始めると、秋の寂しさが人の心を痛ませます。季節が巡るたびに、人は何かを思い出し、何かを失ったことに気づくのかもしれません。
この章句が説くこと
季節燕雁春愁秋思
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