酔古堂剣掃 / 集綺・江聲白蘋に冷やかなり
秋色生鴻雁,江聲冷白蘋。
新字:秋色生鴻雁,江声冷白蘋。
書き下し
秋色は鴻雁に生じ、 江聲は白蘋に冷やかなり。
現代語訳
秋の気配は、渡ってくる大雁や小雁の姿から生まれ、川の音は、白い浮き草の上に冷ややかに響きます。
解説
秋の訪れを、雁の姿と川の音でとらえた一則です。鴻は大きな雁、雁は小さな雁で、秋になると北から群れをなして渡ってきます。空を渡る雁の列を見て、人は秋が来たことを知ります。秋色が雁から生まれるという言い方は、景色の変化を生き物の姿によって感じ取る感受性を表しています。後の句の白蘋は、水面に浮かぶ白い花の浮き草で、秋の水辺を代表する景物です。その上を流れる川の音が冷ややかに聞こえると言い、耳と肌で感じる秋の涼しさを描いています。目で見る秋と耳で聞く秋とを一対にした、端正な句です。季節の変わり目に、空や水辺に目と耳を向けると、秋の気配を感じ取ることができます。
この章句が説くこと
秋景雁自然季節風雅
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