酔古堂剣掃 / 集綺・柳を借りて船を維ぐ
因花整帽,借柳維船。
書き下し
花に因りて帽を整へ、 柳を借りて船を維ぐ。
現代語訳
花のそばを通るときには帽子をかぶり直し、柳の枝を借りて舟をつなぎます。
解説
花や柳と戯れる、のどかな春の遊びを描いた八字の一則です。前の句は、美しい花の前では、まるで人に会うときのように身だしなみを整えて帽子を直すという、花を人のように敬う心遣いを表します。また、花の枝に帽子が引っかかったので直すという、ほほえましい場面とも読めます。後の句は、岸辺の柳の枝に舟をつなぐ様子で、わざわざ杭を探さず、そこにある柳を借りるという気ままな舟遊びの風情です。どちらも、自然を道具や背景として扱うのではなく、親しい相手としてやりとりしているところに味わいがあります。花に会釈し、柳に手を借りる。そんな心の余裕を持って春の一日を過ごしたいものです。
この章句が説くこと
春遊花柳閑適風雅
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