酔古堂剣掃 / 集靈・華句一たび垂るれば江山と共に峙つ
花前解佩,湖上停橈,弄月放歌,採蓮高醉;晴雲微裊,漁笛滄浪,華句一垂,江山共峙。
新字:花前解佩,湖上停橈,弄月放歌,採蓮高酔;晴雲微裊,漁笛滄浪,華句一垂,江山共峙。
書き下し
花前に佩を解き、湖上に橈を停め、月を弄びて放歌し、蓮を採りて高醉す。晴雲微かに裊み、漁笛滄浪たり、華句一たび垂るれば、江山と共に峙つ。
現代語訳
花の前で帯の飾りをはずして、湖の上で櫂を止め、月を愛でて声高く歌い、蓮を摘んで大いに酔います。晴れた空に雲がかすかにたなびき、漁師の笛が青い波に響きわたります。美しい詩句がひとたび生まれると、それは川や山と並んでそびえ立ちます。
解説
湖上の遊びの楽しさと、そこから生まれる詩の力を描いた一則です。佩を解くは、腰に下げた飾り玉を外すことで、形式ばった身なりを解いてくつろぐことを示します。橈は舟の櫂です。滄浪は青く澄んだ波で、楚辞の漁父の、滄浪の水清まば以て吾が纓を濯ふべし、という歌を思わせます。遊びの中から生まれたすぐれた詩句は、自然の山河と同じように、いつまでも残るものになるというのです。楽しむことと創ることは、切り離されたものではありません。心から楽しんだ体験こそが、人の心に残る作品を生む源になるのでしょう。
この章句が説くこと
風雅詩自然遊び創作
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