酔古堂剣掃 / 集景・霜林の紅樹
霜林之紅樹,秋水之白蘋。
書き下し
霜林の紅樹、秋水の白蘋。
現代語訳
霜の降りた林の紅葉した木々、秋の水辺に浮かぶ白い浮草の花。
解説
わずか十字で、秋の色彩を鮮やかに描き出した対句です。前の句の霜林の紅樹は、霜にあたって赤く色づいた林の木々です。唐の杜牧の山行の詩に、霜葉は二月の花よりも紅なり、とあるように、霜が紅葉を深めるとされてきました。後の句の白蘋は、水面に白い小さな花を咲かせる浮草で、秋の水辺の風物として詩に詠まれます。紅と白、林と水、高いところと低いところという対比が、わずか十字の中にくっきりと収まっています。動詞を使わず名詞だけを並べることで、まるで一枚の絵を見ているような効果が生まれています。散歩の途中で見つけた色の組み合わせを、短い言葉で記してみるのも楽しいでしょう。
この章句が説くこと
自然秋風雅色彩紅葉