酔古堂剣掃 / 集綺・香は梅渚に吹く
香吹梅渚千峰雪,清映冰壺百尺簾。
書き下し
香は梅渚に吹く千峰の雪、 清は冰壺に映ず百尺の簾。
現代語訳
香りは、梅の咲く中州に吹きつける、千の峰の雪のようです。清らかさは、氷の壺に映る百尺のすだれのようです。
解説
梅の香りと清らかな光景を、雪と氷のイメージで描いた一則です。前の句は、梅の咲く水辺の中州に風が吹き、梅の白い花が千の峰に積もる雪のように見え、その香りが漂ってくる様子です。後の句の冰壺は、氷を入れた玉の壺で、清らかな心のたとえとして用いられます。高い楼閣に掛けられた長いすだれが、その氷の壺に映り込むような透明感を描いています。どちらの句も、白と冷たさで統一されていて、冬から早春にかけての澄みきった空気が伝わってきます。香りと清らかさという、目に見えにくいものを、雪や氷という形あるものにたとえて描く手法が巧みです。心が濁ったときに思い浮かべたい景色です。
この章句が説くこと
梅清浄冬景風雅香
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