酔古堂剣掃 / 集靈・梅月半灣、書窗の殘雪を掩映す
竹風一陣,飄颺茶灶疏煙;梅月半灣,掩映書窗殘雪。
新字:竹風一陣,飄颺茶灶疏煙;梅月半湾,掩映書窗残雪。
書き下し
竹風一陣、茶灶の疏煙を飄颺し、梅月半灣、書窗の殘雪を掩映す。
現代語訳
竹林を渡る一陣の風が、茶を沸かすかまどの薄い煙をひらひらと揺らし、梅の枝にかかる半月が、書斎の窓辺に残る雪をほのかに照らします。
解説
冬から早春にかけての書斎の情景を、対句で切り取った一則です。茶灶は茶を煮る小さなかまど、疏煙はまばらに立ちのぼる煙です。半灣は弓なりに欠けた月の形を言い、掩映は物がたがいに隠れたり照らし合ったりする様子です。前半は風と煙の動き、後半は月と雪の静けさが対になり、音のない映像のように並んでいます。竹と梅、茶と書物という、文人の好んだ取り合わせでもあります。大きな出来事がなくても、身近な風や光に目を留めるだけで、ありふれた一日が豊かになることを教えてくれます。
この章句が説くこと
風雅自然閑適読書茶
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