酔古堂剣掃 / 集綺・柏葉三光の酒に泛ぶ
梅花舒兩歲之裝,柏葉泛三光之酒。飄飖餘雪,入簫管以成歌;皎潔輕冰,對蟾光而寫鏡。
新字:梅花舒両歳之装,柏葉泛三光之酒。飄飖余雪,入簫管以成歌;皎潔軽冰,対蟾光而写鏡。
書き下し
梅花は兩歲の裝を舒べ、柏葉は三光の酒に泛ぶ。 飄飖たる餘雪は、簫管に入りて以て歌を成し、 皎潔たる輕冰は、蟾光に對して鏡を寫す。
現代語訳
梅の花は、年をまたいで二つの年にわたる装いを広げ、柏の葉は、日と月と星の光を映す酒に浮かびます。ひらひらと舞う名残の雪は、簫や笛の音に入り込んで歌となり、白く澄んだ薄氷は、月の光に向かって鏡のように姿を映します。
解説
年の変わり目、新春の宴の華やぎを描いた一則です。梅は旧年の暮れから新年にかけて咲くため、二つの年にわたって装いを広げると言います。柏葉は、元日に柏の葉を浸した柏葉酒を飲んで長寿を願う習わしを指します。三光は日、月、星の三つの光のことで、酒の表面にその光が映る様子を言います。後半は、舞い残る雪が笛の音に溶け込んで歌となり、薄く張った氷が月の光を鏡のように映すという、冬と春のあわいの美しい景色です。蟾光は月の光のことで、月にひきがえるが住むという伝説によります。新しい年を迎える喜びと、澄んだ冬の名残とが、一つの宴の中に溶け合っています。
この章句が説くこと
新春梅柏葉酒季節風雅
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