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酔古堂剣掃 / 集綺・烏紗帽紅袖を挾む

烏紗帽挾紅袖登山,前人自多風致。

新字:烏紗帽挟紅袖登山,前人自多風致。

書き下し

烏紗帽にして紅袖を挾みて山に登る、 前人自ら風致多し。

現代語訳

黒い紗の官帽をかぶった役人が、紅い袖の女性たちを連れて山に登るとは、昔の人はおのずから風流な趣が多かったものです。

解説

官職にある人が、美しい女性たちを伴って山遊びをする姿を、昔の人の風流として描いた一則です。烏紗帽は、黒い薄絹で作った官人の帽子で、官職の象徴です。紅袖は紅い袖の衣をまとった女性たちのことです。東晋の謝安が、官に就く前に会稽の東山で妓女を連れて遊んだという話はよく知られ、後世の文人の憧れとなりました。官の務めの堅苦しさと、山遊びの自由とが一つになったところに、風致すなわち趣を感じ取っているのです。著者は、今の人にはこうした余裕がなくなったと、昔を懐かしむ気持ちも込めているのでしょう。立場や肩書きがあっても、遊ぶ心を失わないことの大切さを伝える句です。

この章句が説くこと

風流遊山官人余裕隠逸

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