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酔古堂剣掃 / 集綺・風貝葉を翻す

風翻貝葉,絕勝北闕除書;水滴蓮花,何似華清宮漏。

新字:風翻貝葉,絶勝北闕除書;水滴蓮花,何似華清宮漏。

書き下し

風貝葉を翻すは、絕えて北闕の除書に勝り、 水蓮花に滴るは、何ぞ華清の宮漏に似ん。

現代語訳

風がお経の葉をめくる音は、朝廷から届く任官の辞令などよりはるかにすぐれています。水が蓮花の水時計に滴る音は、華清宮(唐の離宮)の時を告げる水時計とどうして比べられるでしょうか。

解説

山寺の静かな暮らしを、宮廷や官界の栄華と比べて讃えた一則です。貝葉は、古代インドで経文を書きつけた貝多羅樹の葉のことで、転じてお経を指します。北闕は宮城の北門で朝廷のこと、除書は官職に任ずる辞令です。風に経巻がめくれる静かな寺の時間のほうが、出世の知らせよりよほど尊いと言います。後の句の蓮花は、廬山の慧遠の寺で用いられたと伝えられる蓮花漏という水時計を思わせます。華清宮は唐の玄宗と楊貴妃が遊んだ温泉の離宮です。同じ時を刻む水時計でも、寺の水時計の清らかさは、栄華を極めた離宮の時計とは比べものにならないと言います。何を尊ぶかで、同じ音も違って聞こえるということです。

この章句が説くこと

仏教隠逸名利閑寂

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