酔古堂剣掃 / 集綺・曲は觴を流すべし
淺翠嬌青,籠煙惹濕。清可漱齒,曲可流觴。
新字:浅翠嬌青,籠煙惹湿。清可漱歯,曲可流觴。
書き下し
淺翠嬌青、煙を籠め濕を惹く。 清きは齒を漱ぐべく、曲れるは觴を流すべし。
現代語訳
淡い翠となまめかしい青の色が、靄をこめ、しっとりと湿り気を帯びています。その清らかさは歯をすすぐのにふさわしく、その曲がりくねりは杯を流すのにふさわしいのです。
解説
靄に包まれた水辺の流れを、色と用途から描いた一則です。前の二句は、淡い緑と澄んだ青の水の色が、靄と湿り気を帯びてしっとりと見える様子です。後の二句は、その流れの使い道を述べます。清可漱歯は、晋の孫楚が「石に漱ぎ流れに枕す」と言い間違え、流れに枕するのは耳を洗うため、石に漱ぐのは歯を磨くためだと言い張った故事を思わせ、隠者の清らかな暮らしを連想させます。曲可流觴は、東晋の王羲之らが蘭亭で、曲がりくねった流れに杯を浮かべて詩を作った曲水の宴に基づきます。清らかな流れは身を清め、曲がった流れは宴を楽しませる。同じ水でも、姿によって違う楽しみ方があるということです。
この章句が説くこと
水辺曲水風雅隠逸故事
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